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2021/12/24 04:56

【きものを愉しむ〜心豊かに、心穏やかに】

毎日のように着物を着ていた祖母や母のもとで育った私ですら、「きもの」の世界は奥深く、まだまだ入り口をうろうろしているような感じがします。
知識も大事ですが、何より「きものを愉しむ」ことも大事。人生の後半は、きものを着ることで得られる豊かさや、心の在り様など、日々着物を着ることで少しづつ心穏やかに暮らせたらと願います。

日本の伝統として本質的なことは守りつつも、自分らしく、また時代に合った愉しみ方も求められています。


そんな折、先日、半世紀以上ご愛顧を賜っているお客様から「身だしなみ」と「心意気」という在り方を教えていただきました。

この方は、日々、きものを愉しまれていて、90歳を過ぎてからは愛着のあるきものを洋服に仕立て替えて、新たな装いを愉しまれています。
帯が結べなくなったとのことですが、お手持ちのきものを、まさに再生可能な物として、今の時代のお手本になるようなエシカルライフを体現されています

私の幼い頃の記憶の中にも、この方のきもの姿はしっくりとご本人様に馴染んでいて、とても心地よさそうに感じていました。

お美しいのはいうまでもありませんが、実はこの方の在り方がその姿に滲み出ていたのだとようやく今になって気づかされました。

裏地にまでこだわり、草履も目を見張るほどの逸品でコーディネートされています。

それは、おしゃれという領域ではなく、きものを嗜むという「身だしなみ」を重んじる在り方が礎にあることをこの度教えて頂きました。

また、歌舞伎など幼少期から日本の伝統文化を広く愛し心豊かに暮らしてもいらっしゃいますが世界の国々の文化や世相にまで目を向けられ学び続けていらっしゃいます。

このような前向きで謙虚な姿勢と、潔いほどの「心意気」が、いつしか私の憧れの存在にもなっていました。

いくつになられても変わらぬ「可愛らしさ」も、きものが似合うエッセンスになっているように思います。

「お蚕さんの命を、最後の最後まで使わせていただく」という優しく心豊かな営みも、心穏やかな日常へとつながっていくのかなと、彼女の生き様から気づかせていただきました。

最近、フォーマルな場面や、成人式や卒業式のお振袖、七五三など晴れ着として着物をお召しになる方が増えてきました。令和の時代は、普段着のアイテムの1つとして「きもの」を愉しんでくださる方が増えると嬉しいです。

また、SDGsの取組への関心が高まる中、お手持ちの着物や帯を再び活かすことへも取り組んでいけたらと思います。

色々なお知恵やご相談も、是非お気軽にお寄せくださいませ。

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